セルロースが資源安全保障政策になる??
久美 「今あなたが着ている服の首元にあるタグをちょっとめくって見てみてください」
拓馬 「はい、まぁ、たいていは綿とかポリエステルって書かれていることが多いですよね」
久美 「そうなんですよね。でも、もしそのシャツがあなたの家の近くにある杉の木から作られていると言われたらどう感じますか?」
拓馬 「木から服を作るって、字面だけを見ると、何か魔法というかSFの話のように聞こえるかもしれませんね」
久美 「えー、本当にそうですよね。今日、私たちが深掘りする資料は、これは森林政策ではなく資源安全保障政策であると題された、ある画期的な産業戦略に関するレポートなんです」
拓馬 「はい。非常に興味深いレポートですね」
久美 「日本の豊かな森が単なる木材の山ではなくて、私たちの着る服を劇的に変え、さらには国の経済の弱点も救うかもしれないという常識を壊すストーリーに迫っていきたいと思います」
拓馬 「このレポートが提示しているデータと戦略は本当に緻密なんですよ。単なる環境にやさしい取り組みをしましょうというようなアピールではないんですよね」
久美 「というと?」
拓馬 「日本の産業構造そのものを再定義しようとする極めて野心的な内容になっています」
久美 「なるほど。まず大前提として、日本って国土の約7割が森林じゃないですか。戦後に国を挙げて杉やヒノキを大量に植えた結果、今まさにそれらの人工林が大きく育って、収穫期、つまり使い時を迎えているんですよね」
拓馬 「えーそうですね」
久美 「それなのに山に放置されている。これってシンプルにもったいない気がするんですが」
拓馬 「実はですね、もったいないという言葉では済まされないレベルの深刻な事態なんですよ」
久美 「えっと、そうなんですか」
拓馬 「はい。木は適切な時期に伐採して、また新しく植え直すというサイクルを回さないと、根が深くはらなくなってしまうんです。そうすると土砂崩れの原因になったり、生態系のバランスを崩したりしてしまいます」
久美 「あー、なるほど。つまり、放置された森は地域のインフラを脅かすリスクに変わってしまうと」
視聴時間:約16分45秒


